グランパの日記Akihata's Diary [登山mountaineering]

            甲武信ヶ岳(2475m)

1.2001年5月13~14日

2.単独行

3.車 首都高速¥700 三鷹¥600 中央高速:勝沼¥1800 雁坂トンネル:¥710

    皆野寄居¥410 関越自動車道:花輪―練馬¥1800 走行155キロ

4.甲武信小屋1泊2食¥7000

5.地図:国土地理院1:25000雁坂峠、金峰山

     昭文社・山と高原地図26金峰山・甲武信

5月13日(日)

 6時30分、出発。日曜日なので首都高速は空いている。東相模湖で、雪の富士山が手前の山々から少し浮き立っていた。快晴の下、順調に走り勝沼インターで降りる。山梨市を通り、途中、コンビニで食糧を調達、国道140号線に出て右折、笛吹川を遡っていく。

 広瀬湖に出ると、前面に木賊(とくさ)山が見えた。西沢峡谷入り口を右折、駐車場に入る。一杯で、段構え下の奥、スペースぎりぎりの所に駐車する。

 9時、歩き出す。家族やカメラ撮りの人達と歩いて行く。峡谷散策で身軽な格好をしている。20分後、入山届用紙を持って立派なトイレに入り、便器に座りながら書く。

 昨日、甲武信小屋に電話した際に教わった通り、近丸新道登山口の先300mに登山口があった。靴の紐を締めなおして入っていく。丁度、青年達が下山してきたのでルートを確認、徳ちゃん新道を登っていく。山ツツジの淡い紫の花が両脇に咲き、足元に落ちたばかりの桜の花びらが点在していた。65キロになった身体を運んでいく。40分毎に5分休む。休憩時、財布や長袖シャツをリュックに入れたり、水にビタミン粉を入れる。ブナの木にツガ等の針葉樹が混じってきた。石に鹿の毛らしいものが引っかかっていた。見晴らしの良いところで休む。広瀬湖が見えた。

200151301.JPG広瀬湖

 

 11時25分、高度1770mに達し、降りて登り返す。石楠花の蕾が一部咲き出していた。尾根を登り、高度1800mを越えると石楠花は咲かず、代わりに林の中に残雪を見かける。

         石楠花や七合目より蕾なり

200151302.JPG西破風山

 12時、下山者に会う。朝4時半から登ってきた。頂上も寒かったが、麓も6度だった。靴は雪で濡れていた。シラビソやコメツガの林の中を登っていく。1キロ太ったせいなのか、昨日の朝バンコクから帰ったばかりだからか、身体に切れがない。日帰りハイカーに追い抜かれる。大木の根に座ってオニギリを食べ、お茶を飲む。リュックも軽くなった。残雪を踏みしめて登る。

 14時、木賊山。林の中、標識が雪に半分埋もれて立っていた。

200151303.JPG木賊山頂上

 降りるところも雪が積もり、ズボっと足をとられる。

 14時20分、甲武信小屋に着く。小屋下にテントが張られ、小屋の前の真新しい木組みスペースのベンチに中年男性が座っていた。話し振りから先生で、下に居る生徒達を引率しているようだ。小屋を覗いたが、誰もいない。先生が「いま居ません」と教えてくれる。

200151304.JPG甲武信小屋と甲武信岳

 一息ついてからリュックを置いて、カメラと水とストックを持って甲武信ヶ岳に向う。

丁度、青年が登っていくので、後につく。頂上で写真を撮り合う。

200151305.JPG甲武信岳頂上

200151306.JPG左、金峰山

 富士山は見えなかったが、金峰山と瑞牆山が近くに雪を残して見え、奥に雪の八ヶ岳が見えた。地図を見ながら両神山も確かめる。眼下に甲武信小屋と木賊山が見えた。

200151307.JPG

  青年は埼玉から来ており、今日中に降りるという。夜に備えてヘッドランプを持ってきていた。青年がビールを出したところで先に降りる。小屋に戻り、中を覗いていると、後ろから声がかかり「泊まりですか」。髭面のオッサンは小屋の主人、山中徳治さんだった。

200151308.JPG小屋の中

「18時に夕食、5時半に朝食。靴は、あそこに入れて。寝るのは2階」とぶっきらぼうな言い方で説明を受ける。板敷きの広場で他の人達と日光浴しながら雑談する。桧の板で、子どもが通れない間隔で柵を作り、屋根もつけるという。日の出は4時48分、今月中に雪はなくなる。

 生徒が着ているジャケットに「所沢・山の道化師・山岳部」と書いてある。積雪を整え、思い思いに料理を作っていた。ベンチでは、高野豆腐を煮込んで料理していたが、余り美味しく出来なかったようだ。陽が落ちてきたので、小屋に入って2階で荷物を整理していると、徳さんから「酒のみませんか」と声がかかる。ブランディを持って下に降りる。

 入り口でオッサンが入ってきた。「山中さーん、お客さん」と声をかける。

 食事をとるところに座る。手伝いというか居候している2人がいた。名古屋から来たT青年は、来月から十文字小屋で働き、夏は聖岳で働く。Aさんは、土日に来て手伝っていたようだ。土曜は20人以上泊まっていた。150人収容でき、それ以上はことわることにしている。

 焼酎のお湯割りをいただく。ツマミはキャベツと魚のマヨネーズ和え、胡椒が効いて美味かった。やがてオッサンもやって来る。雁坂小屋に泊まり、残雪に苦労してきた。避難小屋で休んでいたら、下から道に迷って登ってきた青年に会う。(水を調達に行っただけのよう)埼玉の人でボソボソと聞きづらい話し方で、登山暦2年目と言うが、知識の方は10年、マナーは1ヶ月といった感じ。人の話を聞かず、道に迷わないかどうか同じことを繰り返す。疲れる。頃合いにカレーライスが出てくる。グレープフルーツにナタデココ入りのヨーグルトも用意されていた。

 徳さんは、自動車のブレーキ部品製造技術者だった。19年前にここの3代目に就任。小屋は4月末に入り、11月末に閉める。冬場はトラック運転などの仕事をする。

 食後、NHK放映の「オーイ日本、埼玉県」を鑑賞。荒川源流を辿る番組で、長瀞から大滝に入り、女性アナウンサーが徳さんと一緒に渓谷を登っていく。4人のスタッフと共に、熊や鹿が通る道や撮影風景は絵になる所を選んでおり、本当の源流とは異なっていた。源流水をボトルに入れてNHKに持ち寄り、飲んでいた。水がやや甘いと言っていた。

 もう1本、奥秩父風景のビデオを見る。小屋のイベントは8月第1土曜日の水祭。秩父のソバの達人がやってきてソバを賞味出来る。Aさんの好きなルートは、千曲川源流遊歩道から登り、十文字峠に降りる。私の登山計画を披露。60代まで、いろんな山を登り、70になったら自分の山を決めたい。「それなら、ここの甲武信ヶ岳を選んで下さい」と薦められる。徳さんは従業員用の風呂に行く。トイレに行く途中の小屋だった。小用を済ませ、更に酒に誘われたが、ブランディを献呈して休む。

5月14日(月)

 4時、隣りのオッサンが起き出し、目を覚ます。既に高校生達は、出発準備。トイレに行くと、先生が「木賊山を登って8時までに雁坂峠、10時に広瀬の麓でバスが待っている」と案内していた。合計39人が出発していく。

 4時半、赤い太陽が半分、雲の中に見えた。

200151404.JPG

 頭上には半月が白く見える。

200151402.JPG

 奥には、奥秩父遭難者慰霊碑が建っていた。

200151401.JPG奥秩父遭難者慰霊碑

 ベンチでメモをとっていると、徳さんが窓から顔を出し、「朝飯ができている」と声をかけてきた。オッサンと2人で味噌汁定食を食べる。彼は登頂してから徳ちゃん新道を通って下山する。徳さんは写真の方も興味があり、コンテストを主催している。彼の富士山を撮った作品もなかなかのものだった。記念に徳さんとの写真をT青年に撮ってもらってから出発する。

200151403.JPG甲武信小屋前

木賊山をトラバースして、既に足の跡がついた雪道を歩く。視界が開け、笹原を歩いていくと避難小屋に出る。

200151406.JPG避難小屋

 富士山がはっきり見える。

200151405.JPG

一息ついて富士山の形をした山、西破風山を登る。幾度か、あそこを登り切れば頂上と思いながら急登を続ける。振り向けば、木賊山、甲武信ヶ岳、三宝山が見える。

200151407.JPG木賊山

7時30分、西破風山登頂。かって破不山とも言われた山梨百名山。

200151408.JPG西破風山頂上

破風というのは、合掌型切妻尾根の三角の側面を言う。確かに似ていた。石楠花の木々が生え、心地よい風が吹いていた。尾根を歩いて30分後、東破風山に達する。

200151409.JPG東破風山頂上

風が強くなってきた。笛吹川の沢が幾つか見える。金峰山、瑞牆山の奥に南アルプスが続いていた。

200151410.JPG南アルプス

右手に富士山を見ながら、清々しい朝の山行。やはり泊まって良かった。鞍部に下り登り返す。

8時50分、雁坂嶺。高度2289m。後は緩やかに下っていく。雁坂峠には40分で着く。日本三大峠(他は北アルプス針ノ木峠、南アルプス三伏峠)で高度2082m。日本書記景行記には、日本武尊が蝦夷の地平定のために利用した道とされている。日本最古の峠道と書いてある。

         木の芽風吹きあがりし雁坂峠

200151411.JPG

 富士山に変化があらわれた。7合目の東方に雲が溜まってきた。西風が強そうだ。広瀬に向けて背の低い笹原をジグザグに降りていく。日差しが強い。四角い白標識が道脇にあった。ほっとしたせいか、突然チャイコフスキー「悲愴」のメロディーが浮かんでくる。

10時15分、峠沢の川に出る。歯を磨き、顔を洗ってスッキリする。幾度か川を渡り、細道を通っていくと、1人の中年女性ハイカーに出会う。ほかに誰にも会わなかった。

11時、私設の舗装道路に出る。残りの飲み物や、栄養ジェリーを口に入れながら照り返しの強い道を歩く。有料道路の上を登り返したところで、猿が1匹道路を横切り、草むらに消えていった。

12時、蒟蒻館に入ってお土産と蒟蒻入りアイスクリームを買う。店員に奥の喫茶室に案内される。中年夫婦が話し掛けてきた。三郷からで石和温泉にある養護ホームに見舞いに行っての帰り、西沢峡谷を散歩してきた。店員がキムチ入り蒟蒻(こんにゃく)サービスしてくれる。

駐車場まで歩く。月曜日だが、観光バスが2台駐車していた。車は無事だった。帰りは国道140号線で長い雁坂トンネルを通り、中津川に沿って走り、秩父市を通過、皆野から寄居へのバイパスを使う。花輪インターで関越自動車道に入り、途中、食事してから帰る。

15時30分、帰宅。

Kobushigadake(2475m)  border of Yamanashi pref. ,Nagano pref.,Saitama pref.

                                                   100Famous mountains in Japan

1.AccessCar is better.Chuo expressway KatsunumaICnational road20,pref.34.38,national140,Nishizawakeikoku gate

2.AccommodationKobushi lodge(0494-55-0955)one night two meals

                               7000yen

3.InformationYamanashi city Mitomi branch(0553-39-2121) 

4.SeasonJun to Oct

RecordsMay13

9:00-9:20    Walk from Nishizawakeikoku gate(1100m) to gate.

9:20-14:00   Climb Tokuchan new route to Tokusayama(2468.6m)

14:00-14:20  Down to Kobushi lodge(2400m).

14:30-14:50  Climb to peak.

15:00-15:15  Back to lodge and stay.

May14

5:40-7:30   Walk to Nishihahuuyama(2318m).

7:35-8:05   Down and up to Higashihahuuyama(2260m).

8:05-8:50   Down and up to Karisakamine(2289m).

8:55-9:30   Down to Karisaka pass(2082m)

9:35-12:20  Down to starting point.


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