グランパの日記Akihata's Diary [登山mountaineering]
東北3座の山旅③
岩手山(2038m)
地図:国土地理院1:25000八幡平
昭文社:山と高原地図⑤岩手山、八幡平
9月12日(木)
2時半、一度トイレに立つ。帰りに洗濯物をとり、一休みしてから仕度。
4時、出発。外は星空。真っ暗な道を降りて行く。県民の森や柏台では、車を止めて方向を確認する。後は真っ直ぐの道を突っ走る。東北自動車道の下を潜り、西根で国道282号に出る。トラックが結構走っていた。ローソンを過ぎて直ぐ右折すると、広いところに出る。自衛隊駐屯地だった。馬返への道を確認する。
5時、馬返。駐車場から少し歩いたところに登山口があった。マイクで「登山カードを書いてから登って下さい」という案内が繰り返されていた。近くに宮沢賢治の歌碑が立っている。
岩手山いただきにしてましろなりそらに火花の湧き散れるかも
彼は、この山をシャーマン山と呼んでいた。人々の心を吸い取り浄化し聖なる気持ちにさせる山だ。ブナやミズナラの林を歩いていく。昔、神官が登山の可否を改めたところを通過。
岩手山は南部片富士とも呼ばれており、しばしば激しい噴火を繰り返してきた。岩手山信仰の起源は801年、坂上田村麻呂が顕(うつし)国(こに)魂(たまの)大神(おおかみ)第3神を祀ったのが最初とされている。1合目でシャツを脱ぐ。立方体の形をした豆腐岩で高度を確認、930mに高度計を合わせる。丸太の土止め道を過ぎると、見晴らしの効く裸地に出る。姫神山が見えた。
6時25分、3合目を過ぎた頃から霧雨になる。5合目でレインウェアの上着を、6合目でズボンとスパッツをつける。イブキトラノオが咲いていた。ナナカマドの赤い実が目立ってくる。
8時5分、8合目の避難小屋。風が強いが、雨は止んでいた。3階建ての小屋の中へは靴を脱がなければならない。ブロック石を楯にしてパンを食べ、紅茶を飲んでおく。そこに主人がやってきて「ストーブも入っているから中へどうぞ」と声をかけてきた。親切が身にしみたが、丁重にことわる。靴を脱いでいる時間がない。
頂上を目指す。しばらくして、砂礫を登っていく。富士山やキリマンジャロを思い出しながら登る。
8時50分、火口壁に着く。噴火警報機があった。
ガスの中、地図を頼りに時計回りに歩く。左から右に向って突風が吹きすさぶ。ストックを半分つかみ、這いずるように登る。33体あるという地蔵石が等間隔に立っていた。宮沢賢治「風野又三郎」では、皆で石仏に米を投げつけていたが、それどころではない。諦めかけたが、吹き飛ばされそうもないとわかると、前に進む。焼走りコースとの分岐点を過ぎ、更に登っていく。高度計だと未だ50mは登らなければならなかったが、ガスの中から標識らしきものが浮かんできた。
9時10分、頂上の薬師岳に着いた。ツイ、「やったー」と声に出す。
頂上
頂上は意外と風は収まっていた。風も凪いでいたので、今のうちにお鉢周りする。やがて雲が切れ、火口が見えてきた。
振り向くと苦労して登った頂上が赤く見える。
東側を見ると、突風をもたらした積乱雲のような雲の塊が動いていた。
降りていくとハイカーが続々と登ってくる。昨日、八幡平で会った人にも会う。
健闘を祈って別れる。8合目の避難小屋が見える。
戻って弁当を食べる。美味かった。槍ヶ岳をあしらったTシャツを着たオバサン達は、これから登頂し、御神坂の方に行く。川崎の山岳クラブだった。
10時25分、降りる。次々と登山者に会う。ハットする美人の靴はウォーキングシューズ。オーストラリアの若いカップルもいた。再び、ブナ林を降りて行くと、大きなリュックを背負った年配者に会う。神奈川の人で、長距離バスで盛岡に来て、今日は避難小屋に泊まる。
12時35分、登山口に戻り、下山届を出す。岩手山が見えた。
駐車場に居た地元の人に、近くの温泉を聞く。網張温泉に行く手前の、相の沢温泉「お山の湯」。一気に岩手神社まで降りて右折、突き当たって右折して直ぐにあった。
身体を洗ってから露天風呂に入る。虫除け用の網が張ってあった。風呂から出て、ビールとニンニク餃子にありつきながら岩手日報を読む。松川の地震観測によると、先月は9回あったが昨日はなかった。
14時、出発。信号2つ先になるまで遠い。国道46号線に出、右折して一路、秋田に向う。岩手山が見えなくなり、トンネルを越えると秋田県だった。
15時、角館に入り、武家屋敷通りを走ってみる。塀の上から枝垂れ桜の枝が出ていて、のんびり歩きたくなる通りだった。駐車禁止だったので、ゆっくり走りながら眺める。右折して川沿いの無料駐車場に車を止める。美術館は閉館していた。残飯を持って堤防のベンチで食べる。檜木内川では釣り師が、等間隔で立っている。堤の桜並木は昭和9年、天皇誕生記念に植えられている。5月、桜の見頃に来てみたい。
再び、46号線を走る。更に13号線に出る。りんごや野菜を直売していたが、寄らずに走る。空港まで結構遠い。大型バスの後ろについて行く。指定の第1空港カウンターで搭乗開始までスタンドバイ3番で待つ。1、2番は往きも一緒の夫婦だった。非常口窓側に座って帰る。
Iwatesan(2038m) in Iwate pref. 100Famous mountains in Japan
1.Access:Car is better. Iwate expressway Takizawa IC→pref. road278,logging road,
Umagaeshi
2.Accommodation:8th stage refuge lodge(019-684-2111)1700 yen
3.Information:Takizawa village office(019-684-2111)
4.Season:Jun to Oct
Records:Sep12
5:00-6:25 climb from Umagaeshi(633m) to 3th stage.
6:30-8:05 climb to 8th stage refuge lodge(1767m).
8:20-9:10 climb to peak and around ridge.
9:15-9:50 down to 8th stage refuge lodge and take meal.
10:25-12:35 down to starting point.