グランパの日記Akihata's Diary [登山mountaineering]

            飯豊山(2105m)

1.2002年8月20~23日

2.同行者:HM兄弟、MI

3.交通機関 東北・山形新幹線:東京―米沢、米坂線:米沢―小国(¥6090+新幹線¥5290)、小国町営バス:小国―飯豊山荘(¥700)タクシー:飯豊鉱泉―いいでの湯―喜多方(¥16000) 磐越西線:喜多方―郡山、新幹線:郡山―東京(¥4280+¥5250

4.宿泊:飯豊山荘(12食¥6450)梅花皮(カイラギ)小屋(¥1500)三国小屋

5.温泉「いいでの湯 」¥500

地図:国土地理院1:25000飯豊山、川入、大日岳、長者原

   昭文社:山と高原地図⑩飯豊山

8月20日(火)

 9時過ぎ、東京駅で東北新幹線の23番ホームに立つ。山形方面の車両は前方だった。車両は予定より遅れて着く。人が降り、清掃を終えてから皆で乗り込む。一列に4席、幅は狭い。しばらくM兄と話した後、休む。福島に着くと、前方の7両と後方の9両が切り離される。その間に特急が追い越して行った。山形方面の軌道も広い。車体の幅が狭いのは、トンネルの大きさのようだ。

 11時52分、米沢駅。階段を登らず、奥のホームに停まっている坂町行きのディーゼル2両に乗り換える。

12時16分、出発。通学生が乗り降りしていたが、今泉駅を過ぎると空いてしまう。窓に雨が降りかかる。一面、稲穂が実った畑だった。「てのこ」駅を過ぎると山間に入っていく。

 13時39分、小国駅。風雨が強く、傘をさして車屋に行き、ビールを飲んで昼食をとりながら時間をつぶす。駅舎でバスを待つ。

 14時40分過ぎ、ミニバスがやって来る。我々の他に3人、途中、7人乗り込む。小国街道を走ってから山に入って行く。途中、梅花皮荘に寄る。隠居夫婦も降り、我々だけになる。

 15時40分、飯豊山荘。多賀城高校山岳部の生徒がいた。山から降りてきたばかりで、無口。8畳部屋に入り、早速、風呂に入る。炎症に効く温泉だった。

 17時30分過ぎ、連絡があり、食堂に行く。岩魚の揚げ物や山菜が用意されていた。食後、弁当をピックアップし、部屋で飲む。テレビは衛星放送しかやっていなかった。

8月21日(水)雨

 4時前、人声で起き、オニギリを一つ食べる。外は雨が降ったり止んだりしている。台風13号は日本列島に近づかず北上しているのに、未だ影響があるのだろうか。

   6時、高度400mから出発。湯ノ沢に架かる橋を渡って直ぐ右に登山道がある。急登が続く。ヒメコマツ、ブナの中、足元に気をつけながら黙々と登る。動いていた雲の間から日も差してきた。

 8時30分、高度1000mを越えたところで滝沢峰に達する。一休みして一気に高度80m降り、ブナ林を登り返す。滝見場に着いたが、虻が襲ってきて滝を探す余裕はない。口や耳、目、鼻、どこにでもまつわりつく。雨も降っていたのでレインウェアのフードを被り、口もカバーする。ひたすら尾根を登っていく。

 10時30分、五郎清水で休んでいたら、中年のオッサンが登ってきた。佐世保の公務員で、7時半に飯豊山荘を出たという。恐ろしい速さ。島原出身のM兄弟とお国言葉を交わした後、お先に行ってもらう。ダケカンバの林を登っていく。途中、夫婦が降りてきた。梅花皮小屋を出て4時間かかっていた。段々緩やかな登りになってくる。足元にトンボを見つける。

          冷風の命尽きたる蜻蛉かな

 11時50分、高度1692mの梶川峰に着く。視界は一向に回復していないが、高山植物が咲いていた。タカネマツムシソウと薊が多い。

DSC00010.JPGタカネマツムシソウ

ミヤマコゴメグサの小さな花を見つける。

DSC00006.JPGミヤマコゴメグサ

 分岐点を左折。途中、小さな慰霊碑が立っていた。享年26歳、平成3年のことだった。

 13時10分、門内小屋に入ると混んでいた。残りのオニギリを食べ、お茶を飲む。塩

釜高校の先生が入ってきた。生徒7人と助手1人は外に居た。これから飯豊山荘に向う。

DSC00007.JPG門内小屋

近くに門内岳の石標があった。

DSC00009.JPG

30分後、出発。M兄が先頭に立ったが、早く歩いたせいか足が攣ってしまう。それからは、ゆっくり歩く。北股岳には鳥居が立っていた。花園を見ながら降りていく。

DSC00011.JPG北股岳

 15時10分、梅花皮小屋。普通の2階建ての建物。Hが手続きをしている間、50m離れた水場に行って水を補給。濡れたレインウェアをかけ、靴を脱いで2階に行こうとしたら、佐世保のオッサンが現われる。何時の間にか、抜き去っていた。ばつが悪くなったのか、1階の奥に行ってしまう。2階には青年グループと年配者3人がいた。板敷きだが、湯沸しできるようにマットの他、台座が用意されていた。禅寺で食べる趣き。いざ、ガスバーナーに火を点けようとしたら、一向に点かない。なんということはない、ライターの油が切れていた。隣の人がライターを貸してくれる。メニューはサラダとカレーライス。サラダ菜とトマト、ミョウガをちぎり、水を入れて大きくしたワカメをまぜ、ドレッシングで和える。初めてやってみたが、結構いけた。

 17時30分、寝仕度。長袖やズボン下着の上に厚手のシャツとズボンを着て、シュラフカバーの中に潜り込む。毛布を500円で借りられたが、マットだけにする。携帯

ラジオを聴いたが、東京からのが微かに聴こえるだけだった。途中、冷え込んできて目覚める。テントカバーをかけたら、暖まってきた。

 8月22日(木)晴

 4時前、隣りの音で目覚める。トイレは水洗式だった。朝食はパンとコーヒー。外は晴れているが、風が強い。

 5時25分、出発。ガスが立ち込めていた。ニッコウキスゲが斜面に咲き、残雪の手前にコバイケソウが咲いていた。さらにハクサンシャジンが現れる。

DSC00015.JPGコバイケイソウDSC00016.JPGハクサンシャジン

55分で烏帽子岳。晴れてきたのでレインウェアを脱ぐ。左手に飯豊本山が見えてきた。

DSC00025.JPGDSC00027.JPG

 しかし直ぐガスがかかってしまう。御手洗の池を過ぎた頃、雨が降り出し、又レインウェアを着る。

DSC00032.JPG御手洗の池

 道脇に咲く花を眺めながら歩く。昨日はなかった花を見つけると撮っておく。イイデリンドウは青色の5弁の可憐な花で、数も少なかった。

DSC00033.JPGイイデリンドウ

 8月の飯豊の花はハクサンチドリ等の紫が基調で、シナノキンバイ、ニッコウキスゲの黄色とミヤココゴメグサ、イブキトラノオの白がアクセントをつけていた。

DSC00020.JPG雨に濡れたハクサンチドリ

DSC00019.JPGニッコウキスゲ

 9時20分、御西小屋。中に入ると、かなり混んでいた。ここから大日岳を目指すようだ。同じルートをとっていた母子3人も食事していた。青年が無線を使って連絡を取り合っていた。ここは素泊まり2千円、酒も用意されていた。一息ついてから出る。

DSC00036.JPG御西小屋

 咲き終わったチングルマの髭が風に揺れていた。玄山道分岐点でウェアを脱ぎ、登る。振り向くと残雪の奥に飯豊連峰の最高峰、大日岳が見えた。

DSC00037.JPG大日岳

 11時5分、駒形山。いよいよ本山が近づく。少し降りてから一気に登りつく。頂上付

近は岩場になっていた。

DSC00038.JPG飯豊本山

 11時32分、飯豊本山登頂。ケルンの下部に小さな石祠がある。古くは652年に役小角が登り五社権現を祀ったと伝えられている。

DSC00039.JPG飯豊山頂

 最高峰の大日岳など南側は良く見えていた。山形の高校山岳部生6人がやってきた。これだけ高校生に会えるとうれしくなる。「生涯、忘れないで下さい」と声をかける。

 ここは福島県。廃藩置県後、飯豊山付近の東蒲原郡が新潟県に編入された折りに、飯豊

山神社を本宮として山岳信仰の行事を行なっていた福島県の住民が猛反対。御西岳から三

国岳まで幅1m、7.5キロの登山道が麓宮のある福島県一ノ木村の土地となった経緯があ

る。登り返して20分後、飯豊山神社に出る。鳥居の先に小屋の形をした神社があった。

DSC00040.JPG飯豊山神社

に尾根伝いに歩いていく。地図に御秘所と書いてあるところは、岩場で北側が絶壁だった。

 13時45分、草履塚を通過。30分過ぎ、切合小屋に出る。主人にことわって水を補

給させてもらう。近ツリのガイド2人がやって来て「14人お世話になります」ときちっ

と挨拶していた。ハイカーは丘の上で休んでいる。北側からガスが立ち上がっていた。種

薪山の肩を過ぎ、昇り降りを繰り返して行く。マツムシソウや名前のわからない花が咲いていて飽きない。

DSC00034.JPGマツムシソウDSC00044.JPG

 その内、雨が降り出す。4人は、そのまま歩いていくが、レインウェアを着込む。最後に一気に登って三国小屋に辿りつく。16時だった。1階には中年夫婦がいた。隣りのスペースを使う。他の4人は2人分のところを確保していた。2階には6人が使っていた。湯を沸かし、ご飯を作った後、鮭缶を開け、残った野菜、韓国海苔、味噌汁の素、吸い物の素と一緒に煮込む。最後に醤油をたらして食べてみる。美味い。4人にも食べてもらう。食後は、酒のツマミにモロキュウを作って食べる。隣りのオバサンが「夕陽がきれい」と言ってきた。外に出ると、大日岳の上に太陽があり、飯豊本山も見える。反対側には吾妻山系、安達太良山、磐梯山そして猪苗代湖が見えた。いずれも足跡を残してきたところで眺めも格別だった。

DSC00046.JPG吾妻山系

 19時前、満月が吾妻山系の近くに現われる。

DSC00047.JPG

 隣りの夫婦は相馬からで、毎年、飯豊山に登ることにしている。明日、ここに荷物をデ

ポして登る。オジサンはシャックリするほかは大人しいが、オバサンはシャベクル。本当

は切合小屋まで行く予定だった。管理人がいないので、ここのトイレは使える状態ではな

い等々。しばらく付き合ってからイヤホーンでラジオを聴く。

8月23日(金)

 4時、外で小用を済ます。星が少し見えていた。皆を起こして仕度。

 5時30分、一気に高度を下げる。岩稜が続き、目が覚める。鎖場が続く。今回最大の

山場だった。

DSC00043.JPG

 慎重に足を運び無事通過。やがて3時過ぎに登りだしたハイカーに会う。

 7時過ぎ、横峰を通過。次第に土が抉られた道を降りていく。白いギンリョウソウが増えてきた。

 7時45分、上十五里。遂に我慢できずに、奥に行って排便。スッキリする。しかし左膝が痛み出した。ストックを使って庇いながらブナ林の中を降りていく。45分後、下十五里を通過。そこらじゅうで土が流され、木を頼りに降りていく。

 9時20分、御沢の杉大木の下に出る。樹齢400年以上で4本立つ。「須佐之男命を祀った精進、潔斎の場」と書いてある。栃は神木として守り続けられている。

DSC00049.JPG御沢の杉

 ここは遊歩道との分岐点になっていた。一ノ戸川に沿って林道を歩く。

DSC00050.JPG蕎麦畑

 10時10分、飯豊鉱泉。民宿が幾つかあるが、閑散としていてひと気がない。シーズンが終り、風呂を沸かしていなかった。庭仕事しているオバサンから、「いいでの湯 温泉を勧められる。山都タクシーに電話して来てもらう。川入で待つ間に、靴やストックの汚れをとっておく。やがてリムジンタクシーがやって来た。8人乗り。一路、山間を降りていく。視界が開けたところに温泉場があった。竹下登の「ふるさと創生」1億円計画で出来たところ。まず身体を洗ってからバブル湯に入る。極楽の境地。今度は頭を洗い、髭剃り、歯磨きを済ませる。次に鉄分入り風呂、露天風呂に入る。締めは湯あたり。肩や腰に落ち湯をあてる。

           飯豊の湯登山の疲れ癒しけり

 入浴後、ビールで乾杯。食券を買って天ぷら蕎麦を食べる。 

 13時10分、さっきのタクシーに乗り込み、喜多方駅に向う。車内で千葉のT氏に電

話、来月の予定を打ち合わせていたら、途中で圏外になってしまう。35分後、駅に着く。駅前の土産店「甲斐商店」で喜多方生ラーメンと原酒「吉の川」を買う。店を出ると観光用、蔵馬車が2台あった。

DSC00052.JPG

 写真を撮ってもらう時に、馬が、伸ばした手に口をあててきた。

DSC00051.JPG

 14時16分、快速バンダイ号が出る。猪苗代駅でどっと乗り込み、ゴルフ帰りのオッ

サン4人が隣りに座る。会社の空気を引きずっていた。郡山には10分遅れて到着。

 16時4分、MAXやまびこ48号が出発。2階に座る。金曜日のせいか、次々に席が埋まっていく。

 17時25分、上野駅で降りて4人と別れて帰る。

Iidesan(2105m) border of Yamagata,Niigata,Fukushima pref. 

100Famous mountain in Japan

1.AccessTohoku,Yamagata Shinkansen Yonezawa stationYonesaka lineOguni stationOguni Bus(0238-62-2260)Iide sanso(lodge)

2. AccommodationIide lodge(0238-64-2111)one night two meals6450yen

        Kairagi lodge(0238-62-3885)no meal 1500yen

3.InformationOguni town office(0238-62-2111)

             Kitagata city office(0241-24-5243)

4.SeasonmidJun to Oct

Records

Aug21

6:00-8:30     climb steep from Iide lodge(406m)among beech woods to Takizawamine(1021m).

8:40-10:30    climb to Goroshimizu(water place).

10:40-11:50   climb ridge to Kajikawamine(1692m).

12:00-13:10   walk and climb ridge to Monnaidake(1887m)and take meal.you can see many kinds of alpine plant flower.

13:40-15:10   walk and climb ridge to Kitamatadake(2025m),down to Kairagi lodge.

Aug22

5:25-6:20    climb ridge up and down to Eboshidake(2018m).

6:30-9:20    down and up to Onishidake(2013m).

9:30-11:32   climb to peak(Iide honzan).

11:45-12:05  down to Iide shrine.

12:05-13:45  walk ridge to Zouriduka(1908m).

13:50-16:00  walk ridge to Mikuni lodge(1644m).

Aug23

5:30-7:05    down to Yokomine(1334m).

7:05-8:30    down to Shimojyugori using chain.

8:35-10:15   down to Kawairi(470m).

Taxi : Aizunoriaijidousha(0241-22-1151)

    Spa:Iidenoyu(0241-39-2360)


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