グランパの日記Akihata's Diary [登山mountaineering]

                     白山(2702m

1.2002年8月29~30日

2.単独行

3.交通機関 羽田―小松:JL141便 小松―羽田:JL148便

       マツダレンタカー¥18160 走行距離198キロ

4.宿泊 室堂:1泊2食¥7700

5.温泉:ゆーゆー館¥500

地図:国土地理院1:25000白山、加賀市ノ瀬

   昭文社:山と高原地図45白山

8月29日(木)

 6時40分、羽田空港。空席状況は16名超。スタンドバイリスト1番で搭乗開始までゲートで待つことにする。リュックもセキュリティに通さなければならないのでナイフ、フォーク、スイスナイフを制限品として預ける。

 7時30分、係員が空席待ちカウンターに来て搭乗券を発行。残り6席あった。座席は窓側の23K。離陸後、小河内ダムの上空を通過。八ヶ岳の全貌を撮る。

DSC00008.JPG八ヶ岳

諏訪湖は台形だった。北アルプスも一貌、更に妙高・戸隠・雨飾の山群が見える。

DSC00009.JPG北アルプス

 肝心の白山は見過ごしてしまう。着陸へのアプローチは日本海に出てからだった。海岸の沖に砂防堤が断続的に続いていた。海底の様子も見える。

 8時45分、定刻にブロックイン。到着ロビーのレンタカーカウンターに申し出、迎えの車を待つ。ビジネスマンと一緒にリムジンに乗っていく。車種はデミオ。道路マップを借りる。

 9時20分、出発。先ず10分走って小松駅前を通り、左折して直進。国道8号線を突っ切り、360号線から157号線を走行。トンネルや道路工事で一方通行となった道が多い。気温は既に33度。白峰村から登山口に向う。牛首川に沿って登っていく。一車線になるが、ダンプが反対側から来た時は、丁度通り抜けできる広さだった。

 10時50分、駐車場。仕度を済ませ、400m先の別当出会まで歩く。ここで水を確保、トイレにも行っておく。茶屋は閉まっていた。下山してくる人が多かった。

 11時15分、砂防新道を歩く。先ず吊り橋を渡ってから登る。

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次々と降りてくる人に「コンニチハ」を繰り返す。道は整備されているので登りやすいが、日差しが強い。右手に砂防ダムが幾つか出来、更に城砦のようなダムを建設していた。

 12時、中飯場で水場があり、一本立てる。石段道が続く。

 12時40分、木陰で休む。老夫婦と孫2人はここまで来て戻っていく。別当覗を過ぎ、高度1800mになったら、急に高山植物が現われた。ウラジロナナカマド、ハクサンフウロ、ハクサントリカブト。ジグザグに登っていく。

DSC00014.JPGハクサントリカブト

 13時35分、甚之助避難小屋。木陰に近いベンチで昼食にする。近くに福井医科大学6年生男女7人が休む。その中に東京から来ている青年もいた。白山の状況の他に、永平寺や山中温泉について教えてもらう。

DSC00015.JPG甚之輔避難小屋で

参禅する女性が、松岡にある天龍寺のことを勧めてくれた。午後2時、余りゆっくり出来ないので別れて石段を登っていく。途中、南竜道への分岐点を左折、花を観賞しながら登っていく。

 15時20分、黒ボコ岩。高度2320mまで来た。

 DSC00017.JPG黒ボコ岩

その上は弥陀ヶ原だった。ここにもマツムシソウが咲いていた。白山の主峰が見える。

DSC00018.JPGマツムシソウ

DSC00040.JPG白山

原っぱから五葉坂を登っていくと室堂に出る。

 15時55分、ビジターセンターで手続き。夕食券と朝食券をもらってから、青年が御前荘に案内する。一室の通路側にアサインされる。押し込み方式で2段目は空いていた。荷物を整理していると、通路で地元の偉そうなハゲが中年係員に説教している。「枕がないのかと聞いたらツッケンドンだった」等々。部屋で休んでいる人が多いのに、その無頓着さに呆れる。

ブランディの水割りを作って広場で飲む。睡眠不足で頭痛気味だったが、おさまる。奥宮祈祷殿の上に御前峰が聳えていた。四方形のベンチに仰向けになって休む。高層の薄雲は刷毛で描いたようだった。じっとしているところに、近層の雲がヒューと走り去っていく。シーズン中には山頂池巡りコース案内一周を自然解説員が無料案内していたが、今はやっていない。

18時前、食堂に行く。トレイにご飯、スープ、魚、目玉焼き、保存野菜料理、フルーツコンポを置き、テーブルで食べる。フリカケとお茶ポットを利用。対面した人は、名古屋から北陸道で庄川ICを経由して白水湖まで車で来た。北アルプスが良く見えたという。食後、展望台に行って日没を見る。あいにく雲の中に沈んでしまった。

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福井県鶴来(つるぎ)高校柔道部生が夏合宿最後の催しで来ていた。部屋に戻って、上段で休む。上と下用の毛布を使う。

8月30日(金)

4時前に起きてしまい、レインウェア上着に水ポットを入れ、ストック1本にして出かける。最初、ヘッドライトを使っていたがやめる。半月の明かりで登った方が星も見え、自然との一体感を味わえた。

4時15分、太鼓の音が下から聞こえる。日の出1時間前の合図だった。振り向くと登山者のライトが続いていた。高齢者が休んでいる。荷物を持たないのでホイホイ登っていく。結局、今日の登頂者第1号だった。暗がりの奥院に参拝し、三角点に手をおく。

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                 白山奥宮山頂

北アルプスのシルエットは7色の光を受け、絵葉書のようにカラフルだった。景色がどんどん変化していく。槍や穂高、乗鞍、御岳さらに恵那山の形がはっきり見える。

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5時前、日の丸印のハチマキをした宮司が御来光を待つ間に白山について講義する。

「白山は御前峰、大汝峰、別山から成り立っています。1億5千万年前は琵琶湖の10倍ある湖だったところに爆発が繰り返され、一時期、3000mになったこともあります。白山火山帯は普賢岳まで繋がっています。この山からの水が手取川、九頭竜川、長良川、庄川が石川県、福井県、岐阜県、富山県へと流れ、水が信仰の素になっています。昔は下から拝んでいましたが、717年、泰澄大師が夢のお告げによって登拝し、天法輪の岩屋に篭もって開祖となりました。1659年以来、休火山です。開山祭りの頃の御来光は薬師岳の上ですが、このごろは槍と穂高の間から現れます。手前に見える雲海は台風の影響と思われます。今朝のような風景は中々見られません。時間は22分頃、その後、万歳三唱したいと思いますので、こちらから言うまで言わないで下さい」

5時22分、あっという間のことだった。ピカッと光った後、一気に太陽が出てくる。宮司も一眼レフを構えて撮りまくって、万歳の合図を忘れていた。

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写真を撮り合ってから、御宝庫という大岩から火口へジグザグに降りていく。イワヒバリだろうか、群れをなして飛んでいた。紺屋ヶ池、翠ヶ池、血の池を巡っていく。

DSC00031.JPG翠ヶ池

イワギキョウが咲き、イワヒゲやツガザクラが岩にしがみついていた。

DSC00032.JPGイワギキョウ

大汝峰に向う分岐点にリュックをデポして登っていくハイカーがいた。千蛇ヶ池には雪が残っていた。案内板に、開祖が千匹の大蛇を万年雪に封じ込めたという伝説が書いてあった。万一、雪が溶け、蛇が出てくるおそれがある時には、御宝庫が崩れ落ちて池をふさぐという。

DSC00035.JPG千蛇ヶ池

ここにも竜神伝説があった。竜神は水神でもあり、タイ等の東南アジアにあるナーガ信仰と繋がっている。稲作伝播とともに八岐大蛇伝説や、ここの竜神伝説が流布されたのであろう。九頭竜川の名前もそうだ。

ハイマツ林と花畑を見ながら遠回りして行く。鳥の声が聴けるかと歩いていたら、「ヤッホー」とヒトの声だった。案内板によると白山には250種の花があり、ハクサンという名がついた花が20種ある。木イチゴを見つける。

DSC00036.JPG木苺

DSC00037.JPG室堂

6時40分、室堂に戻る。朝食は卵巻、味噌汁、鮭の塩焼き、海苔に椎茸。食後、200円払ってテルモスにお湯を入れる。帰りに奥宮祈祷殿で安産のお守りと白山比咩(シラヤマヒメ)神社奥宮と書いた御神符を買う。

DSC00038.JPG奥宮祈祷殿

ここに大太鼓があった。荷物をまとめ、トイレに行き、水を補給する。

7時40分、出発。黒ボコ岩から観光新道を降りていく。蛇塚のケルンは崩れていたが、ハクサンフウロやイブキトラノオの白い花が群生していた。その後も高山植物の花園だった。一般ハイカーを避けて登ってくる人もいた。

DSC00039.JPG左上、ハクサンフウロ

DSC00041.JPGイブキトラノオ

8時30分、殿ヶ池避難小屋。高校生達が休んでいた。ここはトイレと板敷きだけ。若手には抜かれるが、年配者を追い抜いていく。日が上がって来て、木陰が少なくなってくる。ビタミン入り水を飲む。横浜から車で来た夫婦と前後しながら降りる。別当坂分岐点からは急勾配だったが、ロープや鎖はない。途中、木陰に入って息を整える。別山に続く尾根が見える。

DSC00042.JPG中央、別山

10時10分、工事用道路に出ると横浜夫妻が水場にいた。頭にかぶる。25分後、登山口に戻る。タオルで上半身の汗を拭き取る。

         霊山や日焼けし顔の汗拭う

駐車場に出て車内で残飯整理、お湯を使って味噌汁やお茶を飲む。

11時25分、出発。ダンプの後ろについて平均時速60キロで走る。日本有数の豪雪地、白峰村で一度温泉街の方を走って見る。旅館や民宿が20軒ほどあるが、閑散としていた。純重曹泉が湧き、肌が絹のようになるので「絹肌の湯」と呼ばれているところだ。国道157号線に出て勝山に向う。一気にスピードアップ。勝山からは九頭竜川と線路に沿って走る。あとは永平寺の標識に従って走る。

12時45分、寺前の土産店の駐車場に車を止め、鍵を預けていく。帰りに1000円以上の買物をすれば無料になる。道には僧侶たちがカートを引いていた。

DSC00046.JPG永平寺町

全国各地からやってきている。参拝コースに従って手水で口をゆすいでから入る。参拝料400円を払い、靴を袋に入れて持つ。4人1列に並び、切符を箱に入れて吉祥閣で参拝コースとルールの説明を合掌してから受ける。

「七堂伽藍の中の僧堂、東司、浴室は三黙道場と言って声を出さないところです。山門は、住職か、修行に始めてやって来た者と寺を出る者しか通れません。現在260名が修行しています」

再び合掌して、別の僧侶に導かれて次の所に移動する。傘松(サンショウ)閣。156畳、天井には日本画家144名による花鳥風月の絵230枚が格子状に展示されていた。川合玉堂「杜若」や伊東深水「躑躅」はわかるが、他の作品はわからない。

DSC00050.JPG天井画

次は山門。最古の建物で、ここを通れるのは管長と修行者が入る時と出る時だけ。2つの細長い板には、決死の覚悟で修行に挑む者だけという意味が書いてある。門には四天王像が立っていた。天邪鬼など煩悩が入らないように踏ん張っていた。ここから五代杉の巨木と、年越しに放映される鐘が見えた。1回の突きで2分から3分響く。

DSC00051.JPG鐘楼堂と大杉

次は大庫院。料理番は午前1時半から準備して3時半からの食事を提供する。ここには守護神の韋駄天像が安置されていた。火事に対応できること、出来た食事が冷めない内に出せることからだ。柱に大きなスリコギ棒が立てかけてあった。これを触ると料理の腕があがるとのご利益があるという。次は伽藍の中心、中国様式の仏殿。祈祷と書いた額縁が仏像の上にかけてあった。

DSC00053.JPG仏殿内

世界平和と仏教繁栄を祈っているという。ここら辺りから食傷気味になってくる。僧侶による説明も、ここで終った。道元が今の状況を見たら、どう思っただろうか。只管打座を説いていたのに、観光業をしている姿を。緩やかな階段の回廊を登って法堂(はっとう)に行く。最大建築物で説法道場だった。道元の墓のある承陽殿に行ってみる。中には入れなかった。隣りに白山の山麓から湧いた水のことが案内されていた。7月中旬には僧侶たちが白山を登拝する。

              雪の音警策の音永平寺      阿波野青畝

ここの寺は冬の厳しさに訪れるのが相応しいようだ。最後に聖宝閣を観ていく。34歳の時の普歓座禅儀や正法眼蔵などの著書を観る。道元は村上天皇の9代目にあたっていた。土産店に戻り、胡麻豆腐を買って車の鍵を返してもらう。お寺の石に道元の和歌が彫られていた。

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春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけり

14時過ぎ、出発。途中、「天山」でトロロ蕎麦を食べる。九頭竜川を渡って左折、竹の里を過ぎて右折、あとは国道364号線を走る。ぐんぐん高度をあげトンネルを越えて降りて行く。松尾芭蕉が9日間も逗留した山中温泉に向う。奈良時代、行基によって発見されたところだ。

15時10分、「ゆーゆー館」に駐車。洗面道具と替え着を持って入る。

DSC00056.JPGゆーゆー館とレンタカー

ここは1日プールやテニスを利用できる1200円コースと健康湯のみの500円コースがあった。健康湯にする。先ず身体を洗い、気泡湯、香り湯に入ってから髭を剃り、髪を洗う。その後、露天風呂、うたせ湯を使う。

16時、出発。国道8号線に出て右折、小松市内に入ってから空港の標識があった。標識を頼りに空港に行き、レンタカー事務所に戻る。松前蟹のことを聞く。時期は11月から。未だ時間があるので安宅ノ関を勧められる。

松林に沿って走ったところに駐車場があった。地元の人に聞いて、東京からドライブして来た夫婦と一緒に行く。句碑が立っていた。     

       落ちて行く主従を偲ぶ松しぐれ      紅果

金毘羅神社には初老記念奉納の狛犬や燈篭があった。安宅住吉神社に入る。巫女さんが無料解説するというので、他の4人と聞く。勧進帳の素になるシーンを述べ、弁慶に打ち据えられる義経を桐板に押絵で書かれたものや、別室の版画や武具を説明する。

DSC00057.JPG弁慶像

結局、難関突破の守護神として、お守りを案内される。海岸の方に歩いていくと、与謝野晶子の歌碑が石に刻まれていた。

DSC00058.JPG与謝野晶子歌碑

 松立てるあたかの沙丘その中に清きは文治三年の岡

 加賀海岸は、昨日の朝、空から見た通りだった。灯台も近くにある。しばらく日本海の潮の臭いを嗅いでから戻る。空港近くのガソリンスタンドで満タンにする。18時に事務所に行き、車を返し、空港まで送ってもらう。帰りの便も最後まで待たされて乗り込む。羽田に着陸したのは21時だった。

Hakusan(2702m) in Ishikawa pref. 100Famous mountains in Japan

1.   Accesscar is better. Komatsu airportnational road 360,157,pref.33,Bettoudeai

2.   AccommodationMurudou(need reservation076-273-1001)one night two meals 7700yen

3.   Information:Hakusan city Shiramine branch(076-259-2011)

4.   SeasonmidJun to midOct

Records

Aug29   Sabou shindou route

11:15-12:00 climb from Bettoudeai(1260m) to Nakahanba (1550m)where is water place.

12:10-13:35 climb stone stair to Jinnosuke refuge lodge(1970m) and take meal.

14:00-15:20 climb to Kuroboko rock(2320m).

15:25-15:55 climb to Murodou lodge and stay.

Aug30 Kankou shindou route

4:00-4:30  climb to peak without bag.5:22 sunrise

5:25-6:40  down to crater and looking around ponds,flowers,back to Murodou lodge.

There are 20 original flowers in the mountain.

7:40-8:30  down to Tonogaike refuge lodge.

8:30-10:35 down to Bettoudeai.


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