グランパの日記Akihata's Diary [登山mountaineering]
1.1999年7月21~26日
2. 同行者:H、M
3. 交通機関:JL531便(羽田-帯広) タクシー 帯広-新得\28670
旭川-新千歳¥5580 JL516便(新千歳-羽田)
4. 宿泊:東大雪荘テント代¥250 南沼キャンプ場、忠別岳避難小屋(無料)
白雲岳避難小屋¥800 天人峡温泉天人閣¥12600
7月21日(水)
羽田空港まで、一汗かいて荷物をかついでいく。
14時半、JL531便は帯広空港に着陸。空港到着ロビーではミルクをサービスしていた。荷物をピックアップしてタクシーに乗り込む。運転手は女性。最近の空港ビルは一律化しているが、それとは異なりレンガ造りで、黒川紀章デザインによるものだった。
三井建設によるシロスホテルはドイツ風。ジャガイモの紫の花が咲き、黄金色した小麦やビート畑が続く。酪農牛舎があり、札内川を越えると刑務所がある。ここは覚醒剤関連、因みに網走は一般刑、旭川は重刑者が収容されているという。道の両端に除雪車用の標識がぶら下がっていた。
15時半、芽室で右折、国道38号を走る。十勝川を渡って北上、日高山脈を見ながら新得に向い、屈足から十勝川を遡る。左側に折りたたみ式雪シェルター、右側に防風林で守られた道。岩松ダム、十勝ダムを通る。この辺は紅葉になれば絶景になる。崖沿いのトンネルを走行、ダム湖を過ぎると牧草が生えた高原になる。曙橋を越えると砂利道になり、谷あいに入っていく。
17時、国民宿舎・東大雪荘前で降りる。
テント利用代を払い、10分歩いてキャンプ場に着く。お湯を沸かして夕食にする。アブやヤブ蚊も多かった。川の流れが聞こえる。
19時30分、ようやく暗くなる。隣のパーティは下山したところで、夕張メロンにウィスキーをかけて食べていた。新潟から小樽までフェリーでトムラウシ登頂後、苫小牧から八戸までフェリーで帰る。
トムラウシ山(2141.2m)
地図:国土地理院1:25000トムラウシ山
昭文社・山と高原地図③大雪山
7月22日(木)
0時、トイレに立つ。キャンプ場を照らす灯には蛾や羽虫が飛び交っていた。頭上の星を見上げると、ライトに照らされた虫が星をつまんでいるようだった。
2時、テントを叩く音で目が覚める。女の声で「トムさんじゃないですか」。こんな時間に声をかける非常識に呆れる。それから寝られなくなる。
3時、Hが動き出した。上空は薄明るくなっていた。
4時40分、出発。25キロのバッグを担いでいく。白樺林の中を尾根に取りつくまで急登が続いたが緩やかになって2時間、林道からの登山コースと合流する。50分経って休み、40分登って休む。何も考えず一歩一歩登る。降りてくる人達は軽装だった。道端に、6葉に4枚の花弁のゴゼンタチバナが咲いていた。
8時15分、カムイ天上に登りつく。
次は斜面をゆるやかに登っていく。何度かカムイサンケナイ川を渡渉しながら遡っていく。(現在、通行不可)
9時50分、水場で休憩。雪解け水が冷たい。靴を洗い、頭を川の源流につけ、タオルで汗をぬぐう。今度は急登になる。ペンキの目印を頼りに登る。
12時、ガスを使って昼食にする。天気良好。遠くにトムラウシ岳が見えてきた。
コマドリ沢を登る。岩礫の急斜面だった。
14時、前トム平。尾根の奥は雲がおおっていた。反対側から帰って来る人の話では、この先、登り降りが続き雪渓もあるという。ハイマツの緩い斜面を一歩、一歩たどる。先頭のHは、熊除けのため声を出しながら歩く。バッグが重いため予定よりも遅れていた。
16時、ケルンのある尾根を降りて南沼キャンプ場に着く。霧がかかっているので、トムラウシ山は明日に延ばす。雪解け水を沸かせて料理。食後、用を足そうと岩陰に行ったら、使用済みの紙が散らばっていた。
7月23日(金)
3時30分、Hの持つラジオの天気予報によると、霧は出るが問題ない。テント場付近は頭上が晴れているが、ガスが横に動いている。雪解け水は昨日より勢いがなくなっていた。
5時40分、出発。頂上への道を誤り、20分後、登り直す。岩だらけが続く。
6時40分、トムラウシ山登頂。
身体がふらつくほど風が強いので、写真を撮って直ぐ降りる。左手に北沼がある岩原を歩き、高度1995mの山を越える。
8時20分、枯山水の庭園のような所を通る。天沼を過ぎてハイカーに出会う。近くのヒサゴ沼小屋に泊まっていた。岩道からハイマツ道に変わり、「神遊びの庭」を通る。確かに高山植物の花が一面に咲いていた。アイヌの人が「花の多いところ」という意味の「トムラウシ」を山名につけたことがわかる。
11時、広い台地に大岩を乗せたような化雲岳に達する。左手は雲に隠れているが、右手には石狩岳、手前の五色ヶ原が見える。トムラウシ山には雪渓がかかっていた。ハイマツにからまれながら降りていく。
五色岳を通り過ぎる。視界が悪くなり、ペンキの目印を目当てにひたすら足元と前方を確認しながら歩いていく。左手は絶壁のようだが、良く見えない。忠別岳避難小屋への道を降りて行く。
13時過ぎ、小屋に入ると男性が1人いた。埼玉からで女満別から利尻、礼文島、羅臼、斜里と登ってきた。阿寒岳は火山活動のため登山中止だった。この後、帯広空港で家族と落ち合い富良野を廻っていくという。全日空でハイジャックが発生したことをラジオが報じていた。やがて雨になり、1人入り込む。忠別岳の方は雷なので予定を変更して来た。ボランティアで登山道の整備にあたっている。
その内ここも雷が鳴り出す。家族連れや高齢者ペアが続々と避難して来る。雷が通り過ぎたところで雪渓を降りて水場から冷水を容器に入れて戻る。途中、若い2人連れがテントを張り、雪の中にビールを突っ込んでいた。美味そう。雪渓にはキツネの糞があった。
これでは、水を煮沸しないと危ない。ソーメンを食べて一休みする。
17時30分、夕食。小屋の2階も一杯になり、数えたら19人いた。お互いに情報交換する。
Tomuraushiyama(2141.2m) in Hokkaido
100Famous mountains in Japan1.Access:Car is better. Obihiro airport→national road236,38,doudou718, Higashidaisetsuso
2.Accommodation:Higashidaisetsusou (0156-65-3021)one night two meals7100yen
3.Information:Shintoku town office(0156-64-5111)
4.Season:Jul to Sep
Records:Jul22
4:40-8:15 Climb from Higashidaisetsusou(654m) to KamuiTenjyou(1270m).
8:20-9:50 Climb to water place.
10:00-12:00 Climb steep slope.
12:40-14:00 Climb to MaeTomDaira(1730m).
14:10-16:00 Climb to Minaminuma Camp(1960m) and set tent.
Jul23
5:40-6:40 Climb to Tomuraushiyama.
6:45-8:20 Down and walk to Kamiasobi garden.
8:30-11:00 Walk and climb to Kaundake(1954.3m).
11:10-12:20 Walk to Goshikidake(1868m).
12:25-13:05 Down to Chubetsudake refuge lodge(1630m).