グランパの日記Akihata's Diary [登山mountaineering]
蔵王山(1840.5m)
1.1996年8月26日~27日
2.単独行
3.宮城交通バス:仙台駅―蔵王刈田山頂¥2210 青根温泉―白石駅¥1060
JR:白石―仙台¥720
4.地図:国土地理院1:25000不忘山
昭文社・山と高原地図⑦蔵王
8月26日(月)
8時30分、蔵王刈田山頂行きのバスに乗る。乗客は登山と温泉目的で8人いた。蔵王案内のテープが流れる。1300年前は山岳仏教の地だった。これから遠刈田温泉まで停まらない。仙台南インターから高速に入り、村田インターで降りる。トウモロコシ畑が多く、茄子などの野菜の他、リンゴやナシが実をつけていた。道路工事で一方通行になった道を通り、段々登っていく。
9時40分、遠刈田温泉に着く。昔、行者達が浸かったところだ。軽装のオバサンとオジサンが6人乗り込む。蔵王エコーラインに入ると、一気に登り出す。この道は昭和37年11月に開通、平成6年に無料となった。表登山口で8人が降りる。名号峰を往復すると言っていた。大黒天を過ぎると、ガスがかかっていた。刈田峠から有料になり、蔵王ハイライン2.5キロをくねくね登っていく。蔵王山頂で降りて、レストランで山菜ソバを食べてから刈田岳まで登っていく。
山頂からの眺めは素晴らしい。南蔵王の山々が見え、下には御釜、えぐられた火口にエメラルド色の池が見えた。硫黄の臭いが風に送られてくる。崖は鉄分を含んだ地質層で、さまざまな色合いになっていた。五色岳というだけある。この地層を鑑定した結果、4000年前のものだった。
戻って熊野岳に向う。馬の背を、御釜を見ながら歩く。頭上に飛行機雲が出来ていた。光線のせいで薄青色と茶色と緑色の雲が見えた。熊野神社を過ぎて頂上の標識に立つ。
山形方面の盆地が見える。ロープウェイがあり、リフトが動いていた。休むことなく、山頂の東端から名号峰に向う。途中、斎藤茂吉の歌碑が立っていた。
みちのくをふたわけざまにそびえたまう蔵王のやまの雲の中に立つ
岩礫地を降りていくと、カラマツが増えてきた。冬になると霧氷になる。
12時30分、追分に着く。ここから峨々温泉への道と上室沢を経て山形市に出る道そして名号峰への道と分かれる。しばらく歩くと、さっき通ったエコーラインと不帰滝が見えた。既に紅葉した木もあった。
潅木林の中を登り降りしていく。なだらかな登りの後、名号峰に着いてしまう。
高度1490mあった。夏休みなのに誰もいない。黄色い花に蜂が群がっている。北蔵王縦走コースの先に雁戸山が見えた。山道は樹林に覆われて見えない。宮城県側は一面ブナ林、山形県側は杉林だった。
石影から突然、栗鼠と鼠の間の子のようなオコジョが現われる。茶色の毛をして下腹は白い。目と尻尾の先が黒い。警戒しながらも、しばらく石の間をチョコチョコ動いている。どうやら餌がほしいようだ。
青根温泉に向けて降りていくと、ハイカーに会う。 群馬からドライブ、峨々温泉で泊まり、登ってきたという。枝に付いた赤テープを頼りに白樺と笹の中を降りていく。湿地に出るとトンボがたむろしていた。
14時25分、猫鼻に着く。延々とブナと笹が続く。蜘蛛の糸が顔にかかり、額に虫に刺されたりしながら藪道を進む。一度、前方に黒いものが見えた。熊かと思い笛を鳴らす。良く見ると黒い枯木だった。ヤブコギを続けながら斜面を降りていくと、川の音が聞こえてきた。
16時過ぎ、県道に出る。物見岩を過ぎ、しばらく歩いていくと看板が立っていた。「青根―峨々間、路面決壊のため当分の間通行止めに致します」確かに車は通っていない。古賀政男詞碑の前の石に座ると、音楽が流れてくる。彼は大沼氏との友情で青根温泉に投宿している。横浜から来た夫婦がいた。長く緊張して降りてきたせいか左足がおかしくなってしまう。
公衆電話を見つけ、東北学院大学セミナーハウスの石川大さんに連絡する。奥さんが迎えに来てくれた。
主人の大さんは民生委員の仕事で帰りは夜になる。2階の部屋「五色」に案内され、早速、風呂に入る。温泉で左足を温めたら、良くなった。今日からサッカー部20人の合宿が始まり、上級生から風呂に入ってきた。
やがて大さんが帰ってきた。ビールと酒を飲みながら話す。やはり、降りてきた道には熊が出るところだった。春、新芽が出た後や秋になって冬眠する前になると民家にやってきてトウモロコシや野苺、果物を食べるという。今日から宮城県の小・中学校は学校が始まるので家族で蔵王に行っている人は県外の人だった。
夕食はサッカー部員と一緒にとる。食後きちっと皿洗いまでやっていた。大さんは野球監督をやったことがあり、東北各地に行って高校生のスカウトもした。ほか戦後の仙台の歴史を教えてくれる。
22時過ぎ就寝。
8月27日(火)
6時30分、目覚ましで起き洗面を済ます。
8時、朝食をいただく。出来たての豆腐、炊きたてのご飯が美味い。食事中の話しは、セミナーでのこと、遠刈田温泉のこと、青山学院のことと続く。東北学院の学長は就任後、必ずフィラデルフィアの本部に行きガウンをもらって来て、卒業式などに使う。食後、しばらくしてから挨拶して辞去する。
9時28分、白石行きのバスに乗る。
10時21分、白石駅。7分後、小牛田行きの電車に乗って仙台に帰る。鈍行なので仙台に着いたのは11時20分だった。
Zaousan・Kumanodake(1840.5m) border of Miyagi pref. and Yamagata pref.
100Famous mountains in Japan1.Access:MiyagiKoutu bus(022-771-5310) from Sendai station to Kattadake peak
2. Information:Tougatta onsen tourist center(0224-34-2725)
3.Season:midMay to Oct
Records:Aug26
10:35-10:50 Climb from Kattadake peak bus station to Kattadake(1758m).
10:55-11:30 Down and up to Kumanodake(1840.5m).
11:35-12:30 Down to Oiwake.
12:35-13:00 Climb to Myogouhou(1490m).
13:05-14:10 Down to Nekohana.
14:15-15:50 Down to Aoneonsen.