グランパの日記Akihata's Diary [登山mountaineering]
1.2001年10月14~15日
2.単独行
3.自家用車
4.宿泊:鳳凰小屋1泊1食¥6500
地図:国土地理院1:25000鳳凰山
昭文社:山と高原地図41北岳・甲斐駒
10月14日(日)晴
6時前に出発、中央自動車道を走り、韮崎ICで降り、国道20号線に出て右折、途中、コンビニに寄って食糧を調達。ロッジを左折して林道を走行。対向車は1台だけだった。砂利道が続き、ところどころに水がたまっている。ミニバスが先行していた。携帯電話通話可能の標識があったので車を止めて鳳凰小屋に電話、宿泊を申し込んでおく。
8時45分、青木鉱泉に駐車。仕度をして出かける。次々とハイカーが降りてきた。ツリバナが実をつけている。ドンドコ沢を遡っていく。
その内、バスを使って登っていたハイカーに追いつく。岡山に住んでおり、大阪で長距離バスを使って韮崎まで来た中年男性。いつも単独行、仕事が空調関係で夏は休めなく秋山を楽しんでいる。帰りは夜叉神峠に出て芦安で温泉に入って甲府に行く。しばらく一緒に歩き、休憩後は先に行く。最初に「南精進の滝」に出会う。紅葉の中に上から水が落ちていた。
南精進の滝
沢に沿って登っていく内、道を間違え、枯れ木と乾いた苔の中に入ってしまう。浮石に気をつけながら登る。
滝の音沢で聞き入り道迷ふ
崖淵を登っていくときは、かなり緊張した。天気もいいので戻らずに上を目指して登る。
11時、人声と共に登山道に出てホッとする。沢を渡ると大きな羊歯が群生していた。今度は「鳳凰の滝」が見えた。
デジカメよりビデオの方が滝の動きを捉えられる。途中、オニギリを食べ、登り出したら「白糸の滝」に出る。
更に30分登ると「五色の滝」入り口に来た。
愛知から来た青年3人と同じようにリュックを置いて滝口まで降りていく。滝は3層に分かれて落ちていた。
他に周りの崖からも水が滴り落ちていた。風が冷たく早々に戻る。
14時過ぎ、広々とした峡谷に出た。地蔵岳のオベリスクが見える。
20分程、高度2300m台を歩き、しばらく登ったところに鳳凰小屋があった。主人がドラム缶でお湯を沸かしていた。一泊一食分払う。地蔵岳まで行きたかったが、5時から夕食だからと言われて諦め、缶ビールを飲む。テーブルと椅子は新しく、防腐液の匂いがする。水はふんだんに出ていた。福島から来たハイカーがいた。同じルートで来ており、天気が良ければ金峰、瑞牆も登るという。青年達は近くでテントを張っていた。
アシスタントのオッサンに説明を受けながら2階の奥に案内される。「毛布3枚と布団、シュラフを枕に使える。リュックは汚れるから下に置く。飲食は談話室」一休みする。
17時、夕食はカレーライス、味噌汁と漬物。お代わりも出来た。11人いた。食後、トイレを済ませ、ブランディを持って談話室に行き、一緒に炬燵に入る。6人が炬燵を囲んでいた。単独行の青年、滋賀の教育者たちと八王子に住む猛者2人。話は八王子が仕切っていた。
「丹沢で猪を捕ってきた人に会い、鍋料理に誘われた。ところが毛皮にダニがウヨウヨいて、すり潰しているのを見てゲンナリする。林道を走っていたら、熊が岩を登っていた。後ろ足を前足の前に置いて尺取虫のように体を移動していた。突然現われた車にびっくり、転げ落ちて一目散に逃げていった。」
主人が入ってきて、客をどかせて入り口が見えやすく壁に背をもたせかけられる位置に陣取る。岡山のオッサンも入ってくる。北アルプスだと関西人が多いが、こちらは関東勢が多い。慣れないところにいて、何かと聞いてくる。
「富士山に連れてってというオバサンがいるんだけど、どうしたら」「乗鞍岳にでも連れてって高度順応できるか試したら」ほか滑落ケース、遭難ケースが話題になる。
19時前、主人がアシスタントに消灯を指示すると直ぐ小屋の電気が消されてしまう。あわてて2階にいく。
10月15日(月)
4時30分、ゴソゴソしながら寝具をたたみ、仕舞いこむ。トイレを済ませる。外は東側に月と一番星が、薄明るくなった空に輝いていた。
ライトを頭に付けて歩いてみたが、沢の方は行かれそうもない。小屋に戻って明るくなるまで待つ。お湯を沸かしオニギリを食べて出直す。
5時40分、朝日が出た時は樹林帯の中で写真は撮れなかった。ジグザグに登っていく内、再び正規のルートからはずれ、賽の河原に向う。崩れやすい石が多くて登りにくい。霜が降りて堅くなっているところを登っていく。河原に辿り着いたとき、既に地蔵岳には青年2人と岡山の人がオベリスクの下に立っていた。
リュックを置いて、交代するかのようにオベリスク下まで登る。青いザイルがあった。昨夜、危ないと聞いていたので、登らずに戻る。河原には、子宝を願う信者が念願成就して持ち込んだ地蔵が置かれていた。甲斐駒をバックに写真を撮る。
富士山の眺めも格別だった。南アルプス、八ヶ岳を鑑賞してから観音岳に向う。
アカヌケ沢の頭に出て振り返る。
尾根を降りていくと、小屋から真っ直ぐ登ってきた高年ハイカーに会う。昨日、小屋で一緒だった。先に登っていく。北岳の岩肌が真近に迫り、白峰三山が連なり、苦労して登った記憶が蘇る。紅葉した山間が日差しを受けて陰影をつけ迫力があった。
右から北岳、中白峰、間ノ岳、農鳥岳
8時20分、観音岳に登頂。
山梨百名山と書いた標識で写真を撮ってもらおうとしたら、既にデジカメの許容量を越えていた。
秋晴の南アルプス一望す
薬師岳の方からも続々とやって来た。薬師岳小屋は混んでいて布団1枚に2人寝かされたという。富士山に向って花崗岩の尾根を歩く。25分で薬師岳に着く。白い砂礫が敷き詰められていた。ここにもオベリスクがあった。岩に「青木」と書いた方向に降りていく。樹林帯の中、紅葉した風景を見ながら爽やかな空気を吸って歩くのは気持ち良い。
山紅葉したる真っ只中にあり
しばらくすると一際大きな岩があった。岩自体に「御座石の岩」とペンキで書いてある。高さ5m、幅10mはある。静寂の中、独り降りていく。大体、高度200m降りたところで水を補給し、時々口笛を吹きながら、ひたすらカラマツ林を降りる。高度2000m、笹原になった。一休みした後、降りていくうち、木の根っこを踏んで滑り転ぶ。膝を擦りむき、腰を打った。膝に血が滲んでいたが、他に痛みがなかった。
今度は足元を良く見ながら降りる。林道を横切り、木洩れ日の下ジグザグに降りていく。やがてセセラギの音がはっきり聞こえてきた。高度1315mに水場があった。汗を拭き、水を飲む。うまい。すぐに九沢第四床固と書いた堰提に出た。市営林道小武川線を歩いていく。コンクリトラックが埃を巻き上げて通過していく。車道は大回りしていくので、途中、ショートカットして降りていく。「青木鉱泉」の標識に従って川に出た。増水した場合には渡れないと書いてあった通り、渡れそうなところがなかった。100mくらい遡って、ようやく見つける。ストックを使って川を飛び越える。堤防を登ると見覚えのあるところに出た。
青木鉱泉は昨日と同じく人気がなかった。風呂に入るのは止める。車の状態を確認してから、近くのキャンプ場に行き、お湯を沸かしてラーメンや缶詰を食べる。水場で洗面を済ませてから車に乗り込む。
13時30分、出発。途中、何台かトラックがやってきた。丁度、スペースがある時だったので無事通過。国道20号線は空いていた。ぶどう直販場で安売りの巨峰を買う。ガソリンを補給、窓を拭いてもらう。登ってきた山とオベリスクがはっきり見えた。前面に富士山を見ながら走る。低山の奥、霞んだところから浮かび上がっていた。塩崎には日本航空高校がある。甲府昭和から中央高速に入り、時速120キロで帰る。
16時30分、帰宅。
Houousan(2840m) in Yamanashi pref. 100Famous mountains in Japan
1. Access:car is better. Chuo expressway NirasakiIC→national road20,logging road,
Aoki kousen
2. Accommodation:Houou lodge(0551-27-2018)one night& dinner 6500yen
3. Information::Nirasaki city office(0551-22-1111)
4. Season:May to Oct
Records:Oct14
9:00-11:00 Walk to Houou fall.
11:05-11:35 Climb to Goshiki fall.
11:50-14:30 Climb to Houou lodge and stay.
Oct15
5:40-6:35 Climb to Sainokawara(means purgatory).
6:40-8:20 Climb ridge and to peak.
8:25-8:50 Down and up to Yakushidake(2780m).
9:00-12:10 Down to Aokikousen.
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