グランパの日記Akihata's Diary [登山mountaineering]
1.2000年12月24日
2.単独行
3.交通手段:電車 博多―宮地¥3150特急券\2290 タクシー 宮地―仙酔山\1950
ロープウェー 火口西―阿蘇山西\410 バス 阿蘇山西―阿蘇駅\540
阿蘇駅―熊本自衛隊前\1190 自衛隊前―福岡天神
4.地図:国土地理院1:25000阿蘇山、根子岳
昭文社・山と高原地図56阿蘇・九重
12月24日(日)
6時20分、福岡西鉄グランドホテル脇の停留所から博多駅前までバスで行く。駅ビル入り口で2人のストリートミュージシャンがギターを弾きながら歌い、女の子達がしゃがんで聞いていた。西鹿児島行き、つばめ1号は7両編成、自由席に座る。車両の真中に大きな荷物収納用のスペースがあった。
6時57分、車掌の検札が終わってから休んで、熊本に着く前に高菜弁当を食べる。熊本で阿蘇1号を待つ。10分後、同じホームに3両編成でやってきた。
9時、立野駅でしばらく停まる。スウィッチバック方式で登った後、大きなカルデラの中を走っていく。阿蘇駅ではデイバッグを担いだ人達がどっと降りていく。ここからは噴火口近くまでバスが出ている。宮地駅で降りたハイカーは私だけだった。
9時35分、仙酔山までタクシーに乗る。前方に阿蘇の山々がたたずんでいた。阿蘇は、「アソオマイ」「噴煙をあげて燃える山、火の山」の意味。約30万年から2万5千年前まで噴火を繰り返し、九州一帯に溶岩を噴き上げて陥没、東西20km、南北28kmのカルデラとなっている。運転手が教えてくれる。
「左の根子岳が頭、中央の高岳が胸、右端の往生岳が足になった女性の寝姿に見えます」確かにそう見える。噴煙をあげている所は、腹の下部にあたるだろうか。東側を指す。
「あの先は波野村、オウム真理教がおったところ。数千万円で買い、立ち退き料を9億円払っています」今は何も見えなかった。牧場の脇を通って登っていくと白い仏舎利塔が立っていた。これも新興宗教が建てたようだが残っている。
「5月になると、この辺一帯はミヤマキリシマのツツジが咲きます」
ロープウェー乗り場の先にある駐車場で降りる。バスは3年前から廃止されていた。
9時50分、記帳後、近くに登山口があったので、登って行く。しばらく登っていくとロープウェーに沿っているので、仙酔尾根とは違うことに気づく。そのまま、整備された道を登ることにする。1時間弱で展望台に達する。
小雪がチラチラし出した。ロープウェーでやって来た観光客が寒そうにしている。「ぜん息、気管支疾患、心臓障害のある方は立ち入り禁止」と書いた看板が立っている。火口はガスで見えない。二酸化硫黄の臭いが少しする。手袋をし、フードを被り、休まずに中岳に向う。風が強い。石と枯草に霧氷が付いていて滑りやすい。足を踏ん張って、ゆっくり登る。
11時15分、高度1506mの中岳に登頂。高岳がそびえ、反対側に火口が見えた。ガスが残っているがヘリコプターが飛んでいた。
クリスマス阿蘇中岳に一人立つ
薄白い高岳の中腹で道なりに登っていたら、火口原に出てしまう。時差ボケだろうか。無人の避難所から左折、黄色の目印を頼りに鞍部まで登り、岩屑ばかりの高岳にたどり着く。
頂上を降りた所に年配のハイカーが座っていた。熊本から車で仙酔山まで来て仙酔尾根を登って来ている。側に座って食事をしながら話を聞く。御年77歳、市役所勤務、関連会社を勤めあげた65歳から登山をはじめ、阿蘇山は年30回登っている。大晦日も天気が良ければ登る。熊本の登山クラブに所属している他、福岡に本店のあるアミューズトラベルを使って百名山も残り6つという。ここから見える山の話になる。根子岳の岩登りは60代にやっており、祖母山は5回登っている。いずれも良く見えた。「天気がもっと良いと韓国岳も見えます」「山に登るようになってから風邪一つ引かなくなりました」
それでも2回ほど危ない目にあっている。下山後、車を溝に入れて足を折り、ひと月入院したこと。下山時、足を挫いたこと。頂上での写真を撮ってもらった後、お返しに写真を撮って差し上げたいと申し上げたが「写真は、整理が大変で家内から差し止められています」と言われる。熊本を経由するなら車で送ってあげると言われたが、今まで歩いた道を戻ることになるので、丁重にお断りする。一緒に、中岳に行く道を降りる。途中、間違えた分岐点を通る。
12時40分、中岳登り口で別れ、火口西に出るまでの道案内をしていただく。英文の登山案内書では火口西からのルートしか紹介していないそうだ。
尾根伝いは冷たい風が吹き、フードをかぶる。崖を降りていくと青年と会う。
13時30分、涸れ川を渡ると広大な砂原になる。異次元の世界に人と犬の足跡が続いていた。砂千里を通って急ぎ足でロープウェー乗り場に行き、阿蘇山西に着く。
バスを待つ間、近くの京大観測所に行ってみる。誰もいなかった。
14時18分、バス運転手の後ろに座ったところで出発。近くの道端にヘリコプターが降りてきた。20分、4800円で火口見物できる。草千里乗り場で、かなりの人の乗り降りがあった。ここには火山博物館、オルゴール饗和国の他、池まで乗馬できる施設があった。
バスは一路かって有料道路だった道を曲がりくねりしながら走っていく。左手に、かわいいお椀型の山、米塚が見えた。昔、阿蘇の神の米を積んだのが山となり、一つまみ摘んだあとが窪みとなったという伝説通り、頂はへこんでいた。一面、放牧場のようで道の両側に木組みの柵が続く。
赤牛や柵外探す阿蘇枯野
14時55分、今度は熊本行き快速バスに乗って国道57号線を走る。
立野でのこと。乗る人が待っているのに、最後部の若者2人は一向に現われない、のんびりと降りていく。クリスマスのせいか車が多い。渋滞中、有馬記念をテレビ放映していた。熊本空港に寄っていく。途中、巨大サイロが2棟見える。この辺りは、5、6月に小麦収穫の後、米を栽培するという。サイロは収穫した小麦の倉庫だった。
空港では誰も乗ってこなかった。
熊本市内に入り、博多行き高速バスが市内で停まる中から、自衛隊前にして降りる。16時17分のバスが遅れること13分、西鉄バスがやってくる。高速は順調だったが、降りてから30分かかって天神バスセンターに着く。
Asozan(1592.4m) in Kumamoto pref.
100Famous mountains in Japan
1.Access:Fukuoka/Hakata station→Kumamoto→Miyaji byJR
Miyaji station→Sensuikyo by taxi
AsosanNishi→Kumamoto→Fukuoka by Kyushu sangyou koutuuBus
(096-325-8303)
2. Information:Aso city(0967-22-3111)
3.Season:Mar to Nov
Records:Dec24 Sensuikyo route & Aso crater west
9:50-11:15 Walk from Sensuikyo(900m)and climb from AsosanHigashi to Nakadakeseiryou Tenboujyo, Nakadake(1508m).
11:20-11:35 Down and up to Takadate(1592.4m).
12:20-14:15 Back to Nakadake and down and walk sand field to crater west, AsosanNishi bus station.Take bus to Kumamoto and Fukuoka.
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