グランパの日記Akihata's Diary [登山mountaineering]
早池峰山(1913.6m)
1.1999年7月30日
2.単独行
3.仙台―新花巻(新幹線)¥5040 新花巻―河原坊(バス)¥1340 河原坊―花巻(バス)¥1450 花巻―仙台(JR)¥2520
4.地図:国土地理院1:25000早池峰山、高檜山
昭文社・山と高原地図⑥栗駒・早池峰
7月30分(土)
5時過ぎに起きて仕度。6時のニュースで天気予報を確認してから出る。仙台駅で新幹線に乗ったら、自由席は満席。土曜日のせいか。それでも栗駒高原駅で座れた。
9時16分、新花巻駅着。駅前のバス停留所でしばらく待っていると、大型バスがやってきた。花巻から十人程乗っていたが、座って行けた。山中に入ると、ニホンカモシカの挨拶を受ける。河原坊に着く。
深田久弥「日本百名山」によると、昔、快賢という僧が早池峰に詣で、ここに寺を建て河原ノ坊と呼んだ。その後、洪水で寺は流失したが、その名前が残っている。宮澤健治の詩碑があった。彼は、ここから早池峰山に登っている。
「おお青く展がるイーハトーボのこどもたち グリムやアンデルセンを読んでしまったら
じぶんでがまのはむばきを編み、經木の白い帽子を買って、この底なしの蒼い空氣の渕に立つ巨きなお菓子の塔を攀ぢよう」
11時、登山口を出発。1時間ほど川に沿って登る。サラシナショウマが咲いていた。
岩場に出ると日差しが強く汗が吹き出てくる。霧に覆われていた山が頭上に現れた。4、5人に追い抜かれていくが、マイペースで登る。ハヤチネウスユキ草にも会えた。
岩石の間に生えている葉は厚みがあり、したたかさを感じる。スイスに咲くエーデルワイス(高貴な白)に似ているが、ここでは薄雪色の花を咲かせる。ここの岩は蛇紋岩の仲間カンラン岩で、酸化マグネシウム分が多く含まれて栄養分が少ない。日本でも最も古い地層だ。
盛岡から来た小学生の一団を抜いていく。一山越えたが、更に登る。鎖場を過ぎ、巨岩の間を登る。
13時40分、早池峰山登頂。
風も冷たい。レインウェアを着て、オニギリをパクツク。やがて小学生達も辿り着き、弁当を食べ、写真を撮って降りて行く。3人の女性がやってきた。祠の前に並んで立ち、手帳を取り出して歌を歌い、中年男が法螺貝を吹き出す。
興味深げに近寄って聴いていたら、一冊のパンフレットを出して教えてくれる。東京自由大学夏合宿のコースで参拝にやってきた。目を通していると、見覚えのある名前、K先生があった。「この人の本を読んだことがある」と言ったら、本人だった。髪の毛を無造作にしていて、動きも若々しい。着ているTシャツはチェンマイで買ったもので、胸の緑色の草は大麻を描いていた。
一緒に降りながら、東京自由大学のことや文化人類学、山口昌男先生のことを話す。彼も一時、静岡大学の口があったが、派閥の関係で行けなかった。(2008年から京大教授)東京自由大学には、丸紅の課長とか教員等奇人変人が集まる。同行のIさんは、大学レターの編集を担当している。以前、中央大学でN教授のゼミにいたが、生徒を馬鹿呼ばわりし、言動についていけないので、実践派のK門下に入っている。来年には、奨学金でブリティッシュコロンビア大学の大学院に留学、イロクォイインディアンについて研究する。小柄だが元気溌剌として、話も面白い。民族紛争を解決する手立てを見つけたいという。鉄梯子を降り、木道や岩場を歩く。
見晴らしの良い所でK先生が法螺貝を吹く。岩肌にミヤマオダマキが咲いていた。
オオシラビソの樹林帯に入ると道も緩やかになる。
16時、小田越峠。大鳥居の前で法螺貝を吹き、二拍して一礼する。
見上げると、山容が現れていた。休憩中、先生の足裏をタイ式でマッサージする。思い出しながら壺を押さえていったが、余り効果はなかったようだ。30分後、歩き出す。Iさんは、かって一週間ほど河原坊の山荘でアルバイトしたことがあり、湧き水のことを知っていた。ブナ、ダケカンバの中の舗装道路を歩く間、ずっと蜻蛉と付き合う。
峠越え神楽舞台に蜻蛉舞ふ
早池峰や神楽の祭り霧の中
17時20分、バスに乗って帰る。I先生が法螺貝を吹いて見送ってくれた。メンバーは、この後、峰南荘に泊まり、明日、早池峰神社例大祭を見学する。国の重要無形民族文化財になっている神楽だ。
20分後、早池峰神社の前を通る。見物客で混んでいた。ここはかっての妙泉寺で明治維新の神仏分離によって廃寺にされてしまったところでもある。早池峰山は霧に隠れていた。北上川を渡っていく。
新花巻で客の半分が降り、花巻駅には18時52分に着いた。帰りは鈍行。一ノ関まで行き、乗り継いで仙台に戻る。22時半だった。
Hayachinesan(1913.6m) in Iwate pref.
100Famous mountains in Japan
1.Access:Bus is available from ShinHanamaki staion(Shinkansen) to Kawaranobou by Iwatekenkoutu(019-651-3355)
2. Information:Hanamaki city office(0196-24-2111)
3.Season:Jun to Oct
Records:Jul30
11:00-11:50 Climb from Kawaranobou(1050m) to Koubegouri(1440m).
11:55-13:40 Climb to peak and take meal.
14:10-16:00 Down to Odagoe(1240m). Take bus to Hanamaki station.
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